山行レポート

     
生石(おうしこ)神社本殿  2020年 10月 18日(日)  「尉と姥」像:JR宝殿駅前 


  ランク S健 : 距離 7 .0km : 歩行時間 2時間30分 : 天気 晴れ時々曇
CL  №1205 T.K : SL №1218 K.K
参加人数 20名 (男性 3名 ・ 女性 17名)
レポート №1807 T.T : 写真&地図  №1807 T.T  : 編集 №1807 T.T 

・「石宝殿」は 日本三奇の一つといわれ高砂市生石神社(おうしこじんじゃ)のご神体である。
・今回の「兵庫史を歩く№10」は高砂市に生石神社の「石宝殿」、竜山そして宮本武蔵生誕地を訪ねた。
・JRの駅としては加古川と姫路に挟まれた高砂市は阪神間に住まいながらあまりなじみの薄い市であったが
 兵庫史にゆかりの場所を訪ねる先々でいつもながらのCLの博識が披露され見どころの多い例会であった。
・今回は婚儀には欠かせない「尉と姥」発祥の地高砂市で日本三奇の一つ「石宝殿」、「観涛処」、「竜山」などを訪ねた。
・今回の唯一の山登りであった「竜山」は標高92,4mの低山ながら二等三角点があり萩の花やリンドウが咲き乱れる
 平坦な山頂からは360度の眺望が楽しめた。 



         
 JR路線バスの愛称は「じょうとん号」   正面山の中腹が生石神社本殿    法華山谷川沿いの竜山石採石場 

 
生石神社の見上げるような参道階段 、この先に本殿がある。
鳥居の両脇に鎮座する直径90㎝位の竜山石は元は「観涛処」の北側尾根にあったのが
採石作業で崩れ落ちて現在の場所に移された。
一方は「違い矢」、他方は「三本矢」が彫られた家紋石で姫路藩に由縁があるらしい。

生石神社(おうしこじんじゃ) 
石宝殿は生石神社のご神体である。本殿の中央が回廊となり潜った正面にご神体の巨岩が屹立している。
巾6.4m、高さ5.7m、推定重量500トンの岩山の周囲を掘り下げて作られた立方体の巨岩で、家を90度起こしたような
姿である。底面の周囲は巾1・6m、深さ30~140cmの水をたたえた溝に囲まれているところから「奇跡の巨岩・浮石」 
とも呼ばれ、宮城県塩釜神社の「四口の神竃」、宮崎県霧島東神社の「天の逆鉾」とともに日本三奇の一つに数えられ
古くは大名が参勤交代で立ち寄ったり、シーボルトも江戸への往還の折りに立ち寄りスケッチを残している。
生石神社の本殿横より登る通称宝殿山頂は山上公園になっており、北には指呼の距離に播磨富士・高御位山が
望まれ、南には播磨工業地帯も一望できた。


         
山上公園から播磨工業地帯を遠望    山上公園への階段    南面に広がる竜山石採石場 

 
高御位山をバックに~山上公園にて~ 



         
空鉢塚    観涛処への219段を登る    ハート型の手水鉢 

加茂神社 と観涛処(かんとうしょ)
 生石神社から南に下って加茂神社に向かう。
加茂神社は大きな石の鳥居と鬱蒼とした境内には質素な本殿と「山の神様」の祠があり、さすが産出地竜山石で作られた
手水鉢は可愛いハート型!!
空鉢塚は西国33ケ所26番札所の法華山一乗寺の開基である法道仙人の「空を飛ばして行った托鉢」の謂れが
ある塚である。
219段の見上げるような階段を登って標高70mの加茂山山頂近くにある「観涛処」に立ち寄る。
「観涛処は姫路藩主ゆかりの史跡で山の南面の岩盤を削ってできた巾11m、高さ4・2mの垂直面に「観」、「涛」、「処」の
三文字が刻まれている。山頂からの眺めは往時は素晴らしかったらしいが今は雑木林に覆われて眺望はなかった。
観涛処の脇から登る階段は緩やかで萩やリンドウの群落が広がる尾根道を歩いて「竜山」へ向かった。
 

 
 リンドウ
     
 ハギの花
    観涛処     



 竜山二等三角点
 
     
 魚崎構居跡
 
    竜山より播磨の山並みを一望     

竜山:92.4m(でべそ山)
竜山は低山ながら二等三角点の設置された山頂からの360度の眺望は抜群である。
竜山周辺から産出される「竜山石」は古墳時代より現在まで 1700年もの間採石が続けられたが現存する採石場は3ケ所のみである。
古くは「大王の石」と呼ばれ肌理、粘度に優れた石は皇居、国会議事堂、、旧造幣局やあまたの社寺仏閣に使われた。
付近には160ケ所以上の採石遺構があり平成26年10月に国の史跡に指定された。
竜山よりの下山は地元の有志「すきやねん竜山塩の会」により昨年造られた「山条登山道を下って山条登り口に下った。

         
 山条登山道を下る   下山後法華山谷川遊歩道より竜山遠望
(でべそ山!?!) 
  山条山登山口 

   宮本武蔵生誕地
宮本武蔵の生誕地については諸説あるが
近年はここ高砂市米田が有力視されている
平成26年に地元の顕彰会によって
建立された碑は地元の竜山石が
使われ重量100トンの巨石である。

コース&タイム (地図はこちら)
JR三ノ宮駅 9:09  JR宝殿駅(ミーテイング) 9:43/10:15 ・・・ 生石神社(石宝殿・山上公園・昼食) 10:45/12:05

加茂神社(空鉢塚) 12:15/12:20 ・・・ 観涛処 12:35/12:40 ・・・ 竜山 12:55/13:05 ・・・ 山条登山口 13:20/13:25

高砂市総合運動場 13:40/13:50 ・・・ 西光寺 ・・・ 宮本武蔵生誕地 14:15/14:20
 
リーダーのコメント 
・兵庫史を歩く№10は日本三奇の一つ「石宝殿」の神秘のパワースポットである。
・今回の山行の目玉は生石神社のご神体であり、宮城県塩釜神社の「四口の神竃」と宮崎県高千穂峰の天の逆鉾と
 ともに日本三奇と伝えられる「石乃宝殿」であった。
・又、この付近は「竜山石」の採石場であり古墳時代から1700年間も採石が続けられており、今回も「石宝殿」以外も  「観涛処」、 「宮本武蔵生誕地」の碑などの巨岩を巡った。
・竜山は標高100mに満たない低山であるが眺望抜群であり、二等三角点が設置されている。
・下山は昨年できたばかりの「山条登山道」を下山した。