横山岳は滋賀県第2の高峰で花の名山として有名である。冬季は深い雪に覆われるため人は余り登らない。今回のルートは3月の残雪期に余呉トレイルクラブが例会として実施していたのをたまたま発見したもの。昨年は、下見を1月に実施したものの本番は大寒波襲来により断念、今年は満を持してのリベンジであった。
上部にある林道まではツボ足、林道を乗り越えて後、ワカンを装着した。雪は登山口付近で40cm程度であったが高度を増すにつれ深くなり、1m以上。しかも、予想通り別の登山者が足を踏み入れた様子は全くなかった。したがって、はじめからおわりまでラッセルで進むしかない。
標高950mを超えると、大きな雪庇が行く手を阻んだ。尾根道東側に張り出した雪庇とは別にところどころ尾根を横切るように大きな雪庇の壁ができており、これを乗り越えないと上部に行けないようになっている。雪の塊が、次から次へと落ちてきて壁を乗り越えられない、階段を作れないのである。
雪庇に苦戦して山頂は遠く、気が付いたら当初から決めていた下山開始時刻14時になってしまい、残念であったが、下山することとした。また、天気も午前と午後で様変わりして昼過ぎには真っ黒な雪雲から雪が降りだし、条件はさらに悪化した。下山は当然踏み跡があり、あっという間に菅並登山口に降り立った。
敗因は、スタートが遅かったことと雪庇に苦戦したこと、あえて言えば、メンバーの脚力にややばらつきがあたことでろうか。雪庇の数、形状は昨年の下見時に比べても数や形が変わっており、雪庇が生き物であることを知った。今年はあえなくあと一息で撤退となったが、来年はリベンジしたいものである。
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