・兵庫史を歩くNo.35 もう一つの廃線跡へ
・今回は20年前の2003年11月30日に廃線となった神戸臨港線の廃線跡を歩いた。
・近代において最も優れた大量輸送機関は船舶であった。港に陸揚げされた貨物を内陸部に輸送するのに以前は
鉄道が利用された。神戸港においても東灘信号所(現在の摩耶駅)で山陽本線から分岐された貨物線が国道2号線を
跨いで、神戸港までのびた神戸臨港線が1907年(明治40年)に敷設された。神戸港の発展に大きく寄与した貨物線も
輸送の中心がトラックに移ったことにより96年の歴史に幕を閉じた。
・神戸市が廃線跡の一部、約1kmを買収し散歩道を整備している。当時使用されていた架線柱やキロポストを
モニュメントとして残しており、以前の雰囲気を彷彿させる。また近くに本社がある「住友ゴム工業」が創業100周年を
記念して寄贈された桜が今まさに満開で、桜のトンネルを楽しんだ。
・神戸港駅の跡地は「みのとの森公園」として整備されている。ここには「神戸港駅の記憶」として、神戸港駅を示す
標識や車止めの線路がモニュメントとして設置されている。この公園は市民のスポーツ、レクレーションの場であるたけではなく、防災公園としての役割も持っている。災害発生時の避難場所と考えられており、一見普通に見えるマンホールも蓋を開けて付近に備蓄しているテントをはれば、トイレに早変わりするとか。
・みなとの森公園のそばに「日本で一番短い国道」がある。174号線である。道路法で重要な港や空港と主要国道を
結ぶ道路を国道とするとなっており、神戸港と国道2号線を結ぶ174号線も国道である。2号線は以前三宮駅前を
通っていたが、混雑緩和のために現在の場所に付け替えられたために、全長187.1mの国道になったそうである。
起点と終点にはそれぞれ案内板があった。 |
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